
世界196か国のほとんどの国の水道水は飲むことができません。
日本を含めてそのままの水道水を飲むことができる国は9か国、飲むことは可能でも注意が必要な国は21か国だと言われています。
私たち日本人が当たり前のように水道水を飲めるのは、水道法によって水道の水質基準が守られているから!
今回はそんな水道水のしくみについてご紹介いたします。
水道水が作られる浄水場とは?
安心安全なお水は浄水場のおかげ。
名前を聞いたことはあるけどどんなことをしているのかはわからないという方も多いのでは?
浄水場の役割
- 安全な水の供給
浄水所の役割は安心安全なお水を供給すること。
私たちの生活に欠かすことのできない水道水は、飲料水としてはもちろん、毎日のお風呂や洗濯、さまざまな場面で安心して使える水でなくてはなりません。
水の品質は、人の健康へ直結するため、供給される水の安全性は最重要とも言えます。
- 有害物質を取り除く
浄水場で浄化・消毒する前の水の中には、ヒ素やカドミウムなどの危険な物質や、農薬、塩素、大腸菌といった物質が含まれていることがあります。
それらを取り除くため、浄水場で浄化・消毒が行われています。
また浄水場は、有害物質が安全基準値を超えないように監視するための役割も果たしています。
- 水の安全性の確保
水の安全を守るため「水質基準」が設けられており、世界中でも日本は特に厳しい基準が定められています。
浄水場では水に含まれる有害物質を検出するだけでなく、水質基準を満たす水にすることで安全性の確保をしています。
安心安全な水道水になるまで
浄水場で様々な工程を経て、安心安全な水道水は私たちの基へ届いています。
その仕組みについてお伝えします。
1.取水塔、沈砂池
川や沼から取水塔へ水を取り入れます。
取水した水に混ざっている砂や泥を沈めます。
2.導水ポンプ
浄水場に水を送ります。
3.着水井(ちゃくすいせい)
浄水場の中で原水が最初に到達する場所のことで、原水の量を調節するところでもあります。
4.薬品混和池、フロック形成池
水のにごりを固める薬品(凝集剤)を入れ、薬品の加えられた水をかきまぜます。
水の中の砂やごみが沈みやすくなり、ここで小さなかたまり(フロック)になります。
5.沈でん池(ちんでんち)
沈でん池に運ばれた原水に、凝集剤(ポリ塩化アルミニウム)を注入します。
凝集剤には、原水に含まれる細かい土や石をくっつけて、大きな塊にする働きがあり、かたまりを沈めて取り除きます。
6.ろ過池(ろかち)
さらに水を綺麗にするため、細かなゴミを砂、砂利の層でこします。
急速ろ過池を通った原水は、消毒設備に運ばれます。
ここで、原水に次亜塩素酸ナトリウムを加えます。
この作業によって、水を安心して飲める状態にします。
7.浄水池
消毒設備を通って安心して飲める状態になった水は、浄水池に運ばれます。
出来た水道水を貯めておく池です。
水道水を貯蔵する倉庫のような役割があり、水の使用量に応じて水量を調節します。
8.ポンプ場
配水池から運ばれた水道水は、このポンプ場から送り出されます。
地形によって、起伏のある地域には、ポンプで一定以上の水圧をかけて送ります。
9.配水塔、給水所
送られてきた浄水を貯留し、水の圧力や量を調整して家庭や施設などに水を送ります。
安心安全なお水を飲もう
飲料水としてはもちろんのこと、調理用にも安心して使用することができるのは、浄水場のおかげ。
千葉県では「おいしいお水づくり計画」を掲げ、おいしいお水づくりに積極的に取り組んでいます。
「水はいつも市販のものを購入している」という人も、たまには水道水を飲んでみてはどうでしょうか?